ホース・ソルジャーを観た


タイトルから勝手に古い戦争の映画だと思っていたが、9.11の直後のアフガニスタンでの戦争の話だった。だって、馬って……。原題は12 STRONGというもので、とはいっても原作小説としてDoug StantonのHorse Soldiers: The Extraordinary Story of a Band of US Soldiers Who Rode to Victory in Afghanistanというものがあるので妙な邦題というわけでもなく、馬に乗って戦う必要があるという特殊な状況だったということを強調するタイトルだった。が、あまり、騎馬隊ならではみたいな魅せ方はあまりなくて、本当に手段として馬を使うしかなかったんだ、という風にしか感じられなかった。なんといっても、みんな馬に乗って戦った経験はないというのに労せずして乗りこなしているし、実際はどうだったのか知らないが、タイトルに馬ってつけるぐらいならそこの苦難はもうちょっと描写があってもよかったのではないか。

based on a true story(実話に基づく)ということで、劇的な山場とかはなかった。裏切られ感もなく安心して観ていることができたし、よい終わり方なので、悲しくなることもなく、よかった。based on a true storyでいえば、戦争ものではないブラック・スキャンダルとかレヴェナントの方がよっぽど凄惨な絵面で進行していったため、上映中はずっと怖い思いをしながら観る羽目になった。なんといっても音が恐ろしい。肉に何か(銃弾や、鋭利な鈍器)がめりこむ音が。いっぽうで、戦争ものは基本的に轟音の占める割合が多いので、そういう生々しい音がダイレクトに伝わってくることが少ないのかと思う。むろん、轟音だって恐ろしいものではあるが。最近の戦争映画でいえばハクソー・リッジもチュンという銃弾の音がしたり臓物がはみ出るショッキングな絵面に度々遭遇してはっとさせられることはあったが、基本的には轟音が多いし、何より日本の描写が(日本人からしてみれば)ギャグにしか見えない部分があったりしたので普通のエンタメとして観ることができた。

あとは、エンディングで流れたIt Goes Onが気に入った。