ポポロクロイスシリーズ新作のSPアプリが出た
お気に入りのゲームシリーズ、「ポポロクロイス物語」の新作が先日スマホアプリとしてリリースされた。それがポポロクロイス物語 ナルシアの涙と妖精の笛で、設定としてはポポロクロイス物語Ⅱの後の物語として始まる。
ゲームとしてはplaystationのRPGとして始まった下記のポポロクロイスシリーズの中で、PSで出た3本はいずれも名作。丁寧なドット絵がかわいらしく、音楽も心地よくて印象深いものが多い。
- ポポロクロイス物語
幼いピエトロ王子が母を救うために旅立つ王道のストーリー。仲間のキャラクターや敵キャラクターにそれぞれ特徴があって、まさに「物語」という感じでよい。ブリオニアや北の大地のBGMの展開はすごく心の琴線に触れる感じがする。 - ポポローグ
ピエトロ王子12歳が主人公のローグライクRPG。今度は父を追いかけるストーリー。舞台は「夢幻世界」ということで、シリーズの中でも異質の設定の模様で、その後の物語にあまり影響がない様子。ただ、私はこのタイトルが大好きで、この先もずっと好きだと思うゲーム。前作のポポロクロイス物語とは違って、「傭兵」という形でたくさんの仲間キャラクターを仲間にすることができる。なのでそれぞれの背景やストーリーは薄味なものの、自分好みのパーティを作って広い世界を冒険していくところが醍醐味。やり込み要素や特定の条件下で起きるちょっとしたサブイベントなどが盛り込まれているのも特徴で、「妄想力」にはたらきかけるような仕組みのある、オタク寄りなゲームだと思う。 - ポポロクロイス物語Ⅱ
こちらもピエトロ王子12際の物語。だが声変わりしている(これまでCVが高山みなみだったのが、折笠愛に変わっている)。これまでと違ってロマンスが強いので気恥ずかしい場面が多々ある。ドット絵やエフェクトの表現がよりリッチになって、なんとROM3枚の大ボリューム。ちょっとイベントが多いが、かなり色々な場所を旅している感があって楽しい。育てればどの仲間キャラクターも頼もしい技を覚えてくれて、ラストに誰を連れて行こうか悩むほど。 - ポポロクロイス〜はじまりの冒険〜
ピエトロ王子の子供ピノンが主人公の物語で、ハードはPS2になったためフルCGとなった。多分途中で投げた。クリアしたかもしれないけど忘れた。話の方に集中できないほど操作性やロードなどがストレスだったと思う。 - ポポロクロイス 月の掟の冒険
はじまりの冒険の続編で、こっちは多分プレイしていない。ただ、はじまりの冒険・月の掟の冒険をカバーするアニメーション作品をやっていたのでもうそっちでいいや、となった。 - ポポロクロイス物語 ピエトロ王子の冒険
ポポロクロイス物語とポポロクロイス物語ⅡのリメイクをPSPで出したもの。イベントがいくつか削られて、難易度も少し下げられたと思う。でも、元タイトルの方がいいなあと思うところもあり、PSP版で追加されたムービーもいい味してるなあと思うところもある。でもイベント削られるとやっぱり薄味な感じになるのは否めない。 - ポポロクロイス牧場物語
ポポロクロイスのキャラを使った牧場物語。操作性がつらくて途中で投げた。ストーリー的なものも一応あってそこはそれなりに面白そうだったので時間ができればそのうち進めたいとは思う。
閑話休題、このスマホアプリ版ポポロなのだが、キャラクターデザインがなんともいえない。サブタイトルにもでてくるナルシア、彼女はシリーズの中でも清純で心穏やかな森の魔女、という感じなのになぜかものすごいミニスカートになっている。ほかの女性キャラクターも凄まじい露出で乳揺れがすごかったりして、これはポポロに求められている路線ではないだろ、という感じ。いくらスマホアプリには「釣り」的な感じでお色気が必要だったとしても、じゃあもうキャラの顔面がポポロっぽいこと自体が合わないと思う。ニッチな「原作絵エロ」が好きな人とかにはいいのかもしれないが、それって公式で出されて嬉しいものなのだろうか? それだけでなく、私が大好きなポポローグのキャラクターも嬉しいことに何人か参戦しているのだが、これがまた凄まじいキャラクター崩壊を起こしているのである。ビジュアルが盛大に変わっていることは別にいいのだが(他タイトルのキャラクターも軒並みそうだし、世界観に合わせるためならしょうがない)、性格・性質が大きく変わっているのには落胆した。いくらポポローグが「夢・幻」の世界の物語だったからって……。特に私が思い入れの深いロビンというキャラクターは、そんなに見た目も変わっていなかったし(そうではないことが特徴だったのにポポロ目に改変されていたのはかなりショックだが)、レパルドやミーシャといったキャラたちの崩壊っぷりに比べたら屁みたいなものに見えるのだが、個人的にはすごく嫌な風になっていた。「人間が嫌いで森から出ない、弓の名手の妖精」……古臭い同人設定を見せられているかのような感覚で異常な気持ち悪さを覚える。それでもまだ、ポポローグのキャラクター全員がそういう風にポポローグの世界線とは異なる性質に変容しているのだったら、まあそういうものかと納得しようはあるのだが、そうでもなく。メルやザッパはほとんど性質に変わりが見られなかった。メルは見た目がかなりひどいことになっていたものの。TGSでの新作発表の時もプロデューサーっぽい人が「メルが一押しです」みたいに発言していたので、寵愛枠としてキャラクター性を守られたのだろうなあと思わされるし、それは非常に不愉快だ。ツイッターでちょっと検索しても、レパルドの変容には嘆きの声が多く見られた。どういう考えでこのようにしたのだろう。そういう性格のキャラクターが物語の進行上必要なのだとしたら、それこそ新キャラクターを投入すればよかっただけのことだ。どうせ最初からポポローグのキャラクターが全員実装されているわけでもないのだし。古参も新規も釣りたかったのかもしれないが、だったらキャラクターデザインをそのへんの有象無象の「美麗スマホアプリ」的な絵柄に寄せた方がよっぽどマシだったと思う。どうせ古参ユーザなんて「ポポロクロイス」の看板がついていれば、ちょっと触るくらいはするのだから。
ゲームのシステムとしては、メインストーリーやスマホゲーによくある曜日クエストのほかに、キャラクターを手に入れてたくさん戦闘に参加させていくことで進められる ブレイブストーリー
というものが用意されていて、ここで各キャラクターの背景や性質が掘り下げられる。操作性や画面バグもひどいし、プレイヤー側のリテラシー任せにしすぎだろと思わされることも多々あるが、このブレイブストーリーで知ることのできる新キャラクターたちは結構面白い。特に、タラスとリズの組み合わせは気に入った。また、メインストーリーの中でも難民受け入れ問題みたいな話があって「おっ」と思わされる場面もある。
それにしてもポポローグのロビンは、正直言って私にとっては「初恋のゲームキャラクター」といえる。ロビンの影響で私はゲームで好んで弓を使うようになった。別に、ポポローグで描かれるキャラクター性なんて、ほんの数テキストぐらいなものだけど、そのテキストや戦闘中のキャラクターボイスから垣間見える性質がとても好きだった。でもそれは、ムーンスターの光のような夢と幻だったようだ。こんなことならガラケー時代にできたポポロのソーシャルゲームをもう少し真面目に触っていればよかった……。