ナナシスの話、そして、夜舞サヲリの誕生日
スマートフォンアプリのTokyo 7th シスターズ(通称:ナナシス)に対して、いちユーザとしてそれなりの感慨を持っている。 コンテンツへの好きが昂じて些細なことに傷つく
レベルで。そんなナナシスとはどんなゲームなのか? まず、アプリの紹介文にあるあらすじを以下に引用する。
【ストーリー】
2032年に突如引退した伝説の国民的アイドル「セブンスシスターズ」。
彼女たちが表舞台から姿を消してから、誰もがこんな風に感じていました。―アイドルはもう終わった……
それから2年。
あなたはエンタテイメントの栄華を極める国際指定娯楽都市区画 “Tokyo-7th” (トーキョーセブンス)にある
次世代アイドル劇場型スタジオ『777(スリーセブン)』(※通称:ナナスタ)の二代目支配人に任命されます。とはいえ街は変わらず「アイドルはもう時代遅れ」という風潮……。
ナナスタも例に漏れず、閑古鳥さえも溜め息をつくという有り様です。
そんなある日、新しい“マネージャー”があなたのもとに現れ、こう言います。「アイドルが終わったなら、新しいアイドルを作ればいいんだよ!
強い絆で結ばれた本物の「シスターズ」をね!!」まもなく、あなたとまだ見ぬ未来のアイドル、「ナナスタシスターズ」の物語の幕が上がります。
上記のようなストーリーで始まる、いわゆる、基本無料の美少女動物園アイドルリズムゲーだ。
私がキャラクター動物園系のスマートフォンゲームをプレイするにあたって一番気にしているのは「キャラクターデザインの一貫性」である。スマートフォンやブラウザの動物園系のゲームは登場人物が多いため、キャラクターデザインを複数のイラストレーターが行っているケースがよくある。ものすごい厚塗りのキャラクターと、ものすごいアニメ塗りのキャラクターがひとつのゲームに同居したりしているのである。私はそれをよしとしないので、登場人物のキャラクターデザインやゲーム内で使われるキャラクターのイラストにある程度一貫性があるかどうかをまず最初にチェックする。ナナシスはキャラクターデザインの担当絵師が立てられていて、ゲーム内のイラストもその絵柄と乖離しないレベルが保たれているため、安心して遊ぶことができるのだ。
ナナシスの魅力はその一貫性のあるキャラクターデザイン・イラストとキャッチーな楽曲、それから近未来の世界観。ゲームの中ではアンビエントインタフェースっぽいものがあらゆるところに実現されていて、その表現にいつもワクワクさせられた。そしてその近未来的な世界観に合致したゲームのUIも、プレイ中の没入感を高めてくれた。こうやって書いていて思ったが、それに反して登場するキャラクターはそれほど近未来感にあふれているわけではない。特に自分が「支配人」をしているスタジオに所属するアイドルたちは、まあ、大体普通だ。
このゲーム、リリース当初はなんと課金要素がなかった。開発スケジュールの都合で組み込めなかったというようなことが公表されていたと思う。肝心のリズムゲームはといえば、お洒落な雰囲気の楽曲をバックに、 表示される星のマークに合わせて画面の任意の位置をシングルタップする という虚無のゲーム性で実現されていた。その後、第一段階の大型リニューアルでは2レーン式・左右タップ型のリズムゲームになり、その次の大型リニューアルでは最大7レーン式・上からノーツが降ってくるタイプのリズムゲームになった。2レーン式は、リズムに乗りやすい譜面に小気味良いSE、画面の華やかさなどあらゆる要素でとても秀逸だったので、私は今でもあの頃が良かった、と思っている。7レーン式になったことで譜面の表現力が増して難易度の幅を広げやすくなったと思われるのだが、凡庸で、画面も退屈だ。もうすっかりプレイしなくなっている。
さて、冒頭にも書いた通り、私はナナシスに対しては、好きが昂じて些細なことで傷つく性質である。私がナナシスで気に入らない点はこのひとつだ。先に引用したゲームのあらすじにもある、「セブンスシスターズ」の扱いである。このゲームを始めた段階で、このアイドルグループは引退しており、レジェンド扱いだ。支配人である自分がどうこうできる存在ではなく、表舞台から去った者たち。一方、支配人が出会いからアイドルへとプロデュースするのは、ナナスタに所属する総勢38名の少女たちだ。ナナシスではメインキャラクターとして、ナナスタの38名のうちの12名をユニットにした777☆SISTERS(スリーセブンシスターズ)が据えられている。他にも続々とナナスタ内のユニットは結成されているのだが、一番最初に結成されたこのスリーセブンシスターズの成長の物語はやはり「メイン扱い」と見て間違いないだろう。少女ひとりひとりとの出会い、ライブ配信や初舞台、ユニット結成や少女たちの絆の物語、そしてライバルユニットとの切磋琢磨。このことから考えると、キャラクターの出番は概ね
スリーセブンシスターズのアイドル >> ライバルユニットのアイドル >> その他のナナスタユニットアイドル >> ユニット未結成のアイドル
のようになることが想像できると思う。そして、それには特に問題はないと思う。動物園ゲーでありがちな人数多すぎ問題につきものなのがキャラクター各々の出番・カード実装について、上記のような序列なら納得できるのだ。だが、カード実装で最も厚遇されているのは もはやプレイヤーである支配人がプロデュースできない過去のアイドル セブンスシスターズである。最高レアカードのPシリーズが初めて実装されたのも、やたらと強い性能でカードが実装されているのも。また、ナナシスではPカードの排出確率が倍になる「フェスガチャ」が開催されることもあるが、このフェスの対象はレジェンドの登場回数が最も多く、ほかはライバルのみだ。フェスガチャはステップアップ形式で、「STEP EX以降に排出するPカードはフェス限のみ」のようなシステムになっている。つまり、Pカードを排出する確率が高い時に、ナナスタのメンバーよりもレジェンドやライバルのPカードの方が手に入りやすい。これが私はすごく嫌なのだ。作中で伝説的な存在だった、だからなんだ? なんで自分がプロデュースしていないキャラクターのカードばかりが強くて、たくさん種類があるんだ? 伝説の伝説たるゆえんを表現するのは、カードじゃなきゃいけないのか? ナナシスがリリースされたあと、コミケか何かで公式同人誌が出た。ハジマリノヒノスコシマエというやつだ。ここではそのレジェンドアイドルであるセブンスシスターズの歴史も描かれているという、いわゆるナナシスアプリ本編の前日譚が描かれているらしいファンブックだ。そう。レジェンドはあくまで前日譚で、本編じゃないだろ、と言いたい。そんなにゲームの中で性能を盛り盛りにしたいなら、最初からこのレジェンドアイドルをメインに据えたゲームにすれば良かっただろ。こっちはゲームのテキストで持て囃されているレジェンドにこれっぽっちも思い入れなんてない。解散済みのアイドルなのに新しい楽曲(もちろんアイドル時代のヒットナンバーという設定で)がどんどん実装される。ナナスタにはまだユニットデビューしていないアイドルもいるのに、レジェンドに因んだ新ライバルユニットが実装され、特別感満載のシナリオまで用意された。そのシナリオの展開は、楽曲CDやナナシス声優たちのリアルライブなど「アプリ外のクロスメディアコンテンツを追いかけたユーザ」になって最大限楽しめるようなものだった。ゲームだけに触れていたユーザは、その課金の多寡を問わず、最高のシナリオ体験を味わうことはできないらしい。私は、私自身の個人的な問題として、二次元の完成された世界を三次元の持ち出して観るという行為に対して途方もない拒絶感を抱えているのだが、ナナシスはもはや「ライブコンテンツ」がメインストリームといっても過言ではないほど、ライブの評判がいいようだ。ナナシスをプレイしていない人が観に行ったりすることも多いらしい。そういうわけで、私が望むナナシスの姿と実際に提供されるナナシスの姿はあまりにもかけ離れているので、真面目に楽しもうとすると、まあ身勝手な話ではあるが、大変傷つくのである。
そのような暗い話はさておき、今日はナナシスの、ナナスタメンバーの一人、夜舞サヲリ(以下、ヤマイ)の誕生日です。誕生日には特別なBDカードというのが実装されるので、引きます。散々文句をつけていたこのナナシスというアプリに万単位で課金しています。なぜそこまで? なぜなら、ヤマイは本当にかわいいのです。キャラクター設定としては、不運な事故にたびたび見舞われる性質で、包帯を巻くほどの怪我・生傷の絶えない女子中学生。だけど本人のパーソナリティはいたって明るく、いっぱいの笑顔をみせてくれる。デフォルト立ち絵の気の抜けた口の開き具合の笑顔とダブルピースからは、ヤマイの優しさと危うさを感じられる。ちなみになぜヤマイと呼んでいるかというと、本人が自身を指す一人称として「ヤマイ」をよく使っているからである。
見た目や喋り方はこんなふうだ。
ヤマイが報酬カードになるイベントでは上位ランクインするために何かを犠牲にしたりすることがある。とはいえナナシスはそんなにアクティブユーザいないので(6位とったウエディングバトライブで1万人強くらい)他ゲーに比べると大したことはないはずです。
とりあえずバースデーガチャのSTEP5まで回して最低保証の1枚はゲットしたわけです(課金は18k)。ナナシスはカード重ねゲーなので、同じカードを2枚取得しないといけない。ここから先は何回回してもヤマイBDカードが出ることは保証されません。
おっ?
なんと、やりました。追い課金して一発目のガチャでヤマイBDの2枚目が排出されました。課金としては27kで済みました。ヤマイ、おめでとう。こんなの書いてたら3時(AM)近くなってしまったよ。良い1日を。