私の夏休み


アドベントカレンダー

こんにちは、fymartymです。今年触ったゲーム Advent Calendar 2019の23日目の日記です。

夏の終わりに夏のギャルゲーSummer Pockets通称サマポケを買って、やりました。履歴をみると9/19。ちょうど9月の3週目に夏期休暇をとったので、そのさなかに買ってしこしこやっていたというわけです。

Keyブランド

サマポケはKeyというギャルゲブランドが手がけたフルプライスの恋愛ADVです。Switchでギャルゲーやりたいな、とは常々思っていたので、Keyには好感をもっているし、音楽もよいだろうという確信があったし、イメージ映像もよかったので買うことにしました。音楽に対する確信は、Keyのシナリオライティングや作中の楽曲制作を担っている麻枝准への信頼です。後述する、私が過去に触れてきたKey作品の楽曲は素晴らしかったし、とても好みだった。

ギャルゲブランドといっても、私がKey作品にまともに触れたのは2010年に放送されていたAngelBeats!というアニメで……え? 2010年? ほぼ10年前とか年月経るの早すぎワロタ。でもAB!は、Keyの歴史からするとかなり近年の作品であると言って良いはず……。つまり何が言いたいかというと、 私がKeyに触れたのは比較的最近です。もともと深夜アニメ好きでもない自分が、何をきっかけにして見始めたのかは覚えがないんですが、主題歌を始め劇中の音楽すべてが美しく、ストーリーはギャグと泣かせのバランスがよく、終わり方の演出がやや納得行かなかった記憶もあるのですが(最後はBraveSongで締めてほしかったのに、一番の宝物EDだったのが納得行っていない)、キャラクターも世界観もかなり気に入った作品でした。Track ZEROという、本編の前日譚にあたるビジュアルノベルまで買うほどハマってました。ちなみにAB!で一番好きなのは音無の死因のエピソードですね。ぼろぼろ泣きました。

あとは本当に最近(今年!)アニメCLANNADのシーズン1をみたりしました。アマプラで配信されていたので。古い作品なのでノリが古いなと感じるところも多々ありましたが、まあこれが泣かせてくるんですよね。fymartymの涙腺が緩いというのもあるんですけど、「うわこれ泣かせる気満々じゃん」ってわかっていながらも泣かされてしまう。CLANNADはゲーム原作で、その中のヒロインの一人、智代にフォーカスした「智代アフター」という外伝も出ていますが、この智アフのEDテーマであるLiaのLife is like a melodyが私は大好きなんですよね。ゲームはやったことないのですが、その昔ニコニコ動画とかでよく聴いていました。その歌の印象を強くもった状態で実際にアニメCLANNAD一期をみた感想としては、「智代ってこんな感じなのか~」という驚きが大きかったです。そんなアニメはシーズン2が真骨頂っぽいのですが、こっちはアマプラ配信されてなかったのでみてない状況です。正直好きな作品ではないけど面白いので機会があったらみたいです。そして智アフもやりたい。

ちなみにサマポケの主題歌はLiaではなく鈴木このみです。

Summer Pocketsと私の夏休み

サマポケは4人のヒロインがいて、その4人の攻略のあとにはゲーム内の謎・真相に迫っていく「ALKA」、「Pocket」というルートが開放されます。真相ルートから察するに、正ヒロインはしろは。なのでしろはを最後に攻略すると流れ的にちょうどいいのかもしれない。fymartymは、 紬 -> 蒼 -> しろは -> 鴎 という順番で攻略しました。ご飯では好きなものを最後にとっておく派なのですが、ゲームに関しては「最後にとっておくと辿り着けない可能性のほうが高い」と思って、これだと思ったものから手を付けるようにしています。先日のデトロイトもそうですが、まずは自分の心が信じたところに。最後を鴎にしたのは、飄々としていてエキセントリックな性質をもった女の子が苦手だからです。紬もまあまあエキセントリックでしたが、飄々とはしていない。

正直どの子も惹かれなかったんですが……、どの子も惹かれなかった理由はやっぱり、全員悲恋につながる運命だからかもしれない。だからなんとなく4人共儚げで、主人公に対してどこか距離を持っていて、心から好きになれるほどのふれあいがなかった気がする。ゲーム内でも「なんか出来上がっちゃってるけど、ここに至るまでにいつの間に仲良くなったの?」みたいに思うことがしばしばあった。絆を深める描写が足りないと思う。そして足りないのに泣けるのが、これのすごいところではあるのだが。

サマポケは「泣き」だけではなく背筋が凍るような演出も秀逸。たとえば紬ルートの終盤、紬の正体に迫るために水織先輩と一緒に廃屋を探り、日記を読む場面。水織先輩が「私怖い」と気持ちを吐露するシーン、本当に怖かった。泣きに加えてゾッとするような描写もうまいので、恋愛関係に至るまでの絆を深めた説得力が足りないというフラストレーションを抱えつつも、終盤ではそれらの不満を塗りつぶすほどの感情の揺さぶりが畳み掛けられるので、結果的に「うああ! イイハナシダッタナー」となる。いや、いい話というか、辛い話というか。

ちなみにバッドEDというかゲームオーバー的なのもあって、鴎ルートで木登りするところで初めて気づいた。これまでの積み重ねによる何か、とかじゃなくてその一瞬の選択ミスによるもの。テキストをできるだけ回収したいな、と思って、「まず最初にアホな選択をしよう」という感じでやってたらハマってしまった。それまではアホな選択をしても窘められるシーンが挟まるくらいだったのに、まさかバッドED行きになるとは。調べてみるとほかにも、個別ルートに入るまでに好感度的なものが溜まっていないとバッド引いてしまうというようなことがあるらしい。まあ恋愛ゲーって、「こいつ攻略するぞ」となったらそいつにだけ構ってないといけないシステムであることが大半ですからね。変に我を出して八方美人してると誰からも好かれずに終了するというのはお約束というか……。隠しルート的に、八方美人にしてたらのみきが攻略できる、とかだと嬉しいのだが。

サマポケで最も愛着が湧くキャラといっても過言ではないのが、妹的存在のうみちゃん。しっかりもののうみちゃんにやいのやいの言われるのはなかなかクセになるのですが、周回するごとにうみちゃんは白痴化していってしまいます(敬語ツン -> タメ口ツン -> 幼児退行)。そんなうみちゃんの謎は4ルート後の真相編で明らかになっていくわけですが。もうなんか悲しいとしか言えない……。


まだこのときはちょっとやわらかくなったなーぐらいにしか思っていなかった。

正史は自分の選択、であってほしいけど

「これが正ヒロイン」「これが正史」と最初から定められている方がゲームとしてまとまりが出るのは確かなのだろうけど、それでもやっぱり自分が最初に掴んだ未来が正史であってほしいという気持ちがある。だって、それなら正ヒロインだけのゲームにしたらいいじゃないか。余計なルートがない分、絆を深める描写にリソースを割くことができるはずだし。選んだキャラクターを否定されるために攻略するなんて寂しすぎる。

そんな風に考えながらクリアした。


最後に強く主張したいんだけどしろはの後ろ姿はなんかのモンスターみたいで怖い。